1.オーロラは毛穴が开いてるだけじゃなかった

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

深い夜空に滔々(とうとう)と流れる光の带
人々はその届かない煌めきに憧れてた
でもその实态は未だ谁も掴めずにいて
空に赴いて一雫小瓶に诘めた

あの辉きは営业用だったのか
间近だと腐ったゴムみたいな色で
弥生土器の方がまだ光泽がある
恐る恐る显微镜を覗く

切り取った破片の全面に
开いた毛穴のようなくぼみ
オーロラは天にウヨウヨ沸く
40代の皮肤だった
黑ずんだ毛穴は上空で
冷やされて闭じていた
产毛が光を乱反射し
カラフルに见えるのだ

性质は判明したが発生理由がわからない
物理法则をシカトしてでも现れるのだ
梦を坏された人类はこのままではいられない
オーロラのスキンケアが计划された

洗颜料、化妆水に乳液
涂りたくればもっと辉くだろう
ポテチを食べた后のリモコンみたいな
ヌルついた肌触りだ

拭き取った污れはよく见たら
ビールで濡れたクシャクシャの马券
オーロラは天に升らない日
竞马场で饮んでいる
140円だけ胜っている
马券は绮丽な状态だった
ギリギリの暮らしだと窥える
ビールで赤字だろうが

神々しかったオーロラが
地球のバグ呼ばわり
これ以上は落胆するだけと
调查を止める案も出たが

千回くらい逃げようとして
千回とも逃げられなかった
オーロラは绮丽だ

污れを落とした下に
赤面するクオリティーの壁画
意味ありげだが何も言えてない
かわいそうなポエム付き
谁かの黑历史を投影する(さらす)
特殊机能付きの肌らしく
岐阜の佐藤が昔ノートに
描いたものと一致した

佐藤はおいおい泣いた


2.地底人が见せた拔群の生活感

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

私は地底探检队の一员
头を打ったらしくここ数时间の记忆が无い
地下52kmの空洞で孤立 非常事态
反重力発生装置で归还する

不意に现れたお风吕上がりの地底人
タオル代わりにと装置を夺う
多分あんまり水吸わないですけど!?
引き换えにハンガーとかもらいましても!?

不意に现れた埋めた骨を探し过ぎた犬
首轮代わりにとハンガーを夺う
强烈な襟みたいになりますけど!?
引き换えにドリアンとかもらいましても!?

不意に现れた脚が长过ぎる人のお座敷
靴下代わりにとドリアンを夺う
臭う上に靴を贯きますけど!?
引き换えに高枝ばさみとかもらいましても!?

不意に现れたイモを掘り过ぎた幼稚园儿
爪切り代わりにと高枝ばさみを夺う
下手すりゃ指ごと持ってかれそうですけど!?
引き换えに土锅とかもらいましても!?

不意に现れた井户水を欲し过ぎたエコロジスト
スコップ代わりにと土锅を夺う
桶の代わりの方がいい气がしますけど!?
引き换えにカボチャとかもらいましても!?

不意に现れた刺し过ぎた伝说の剑
どんな勇者なら引き拔けるんだ
うっかりつまずき 装置と引き换えに
残ったカボチャもまっ二つ

恐ろしい 地底の世界
このままじゃ地上に归れない
负けないぞ 夺い返す
地上に戻るための翼を

また会ったなおい!井户水を欲しすぎたエコロジスト!
カボチャを丁宁に里ごしして
井户水をカボチャスープにするぞコラ!
こうして土锅を夺还

また会ったなおい!イモを掘りすぎた幼稚园儿!
土锅をスコップ代わりにして
せっかく掘ったイモ埋めるぞコラ!
こうして高枝ばさみを夺还

また会ったなおい!脚が长过ぎる人のお座敷!
高枝ばさみを爪切り代わりにして
小指の爪を绮丽に切るぞコラ!
こうしてドリアンを夺还

また会ったなおい!埋めた骨を探し过ぎた犬!
ドリアンを靴下代わりにして
嗅细胞を歼灭するぞコラ!
こうしてハンガーを夺还

また会ったなおい!お风吕上がりの地底人!
ハンガーを首轮代わりにして
地上で大事に饲育するぞコラ!
ついに反重力発生装置を夺还

持っていたタオルで装置をお手入れ
どうやら正常に动作するようだ
地上に归还 气がかりは
はぐれた队员たちだが…

バーベキュー 乐しんでる
先に戻って肉烧いてた
地下に续く この穴を
ゴミ箱代わりに使うなコラ!

半分が 残ってた
カボチャを切って烧いて食べながら
はしゃいでる 部下を一人
捕まえて穴に突き落とす!

私は地底探检队の一员
头を打ったらしくここ数时间の记忆が无い


3.浮かれバケモノの朗らかな破绽

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

天狗界では人气鼻タレで
鼻商品ならまかせあれ
だけど全毛穴から飞び散る
人间界への憧れが止まんない!

两亲がソフトにやつれるまで
土下座したかいありまして
“3年だけ渡人间界を许す
その间に人间界に必要な存在になれ”

天狗パワーで目立っても
正体バレたら强制送还(里归り)
方法がわからず虚しい归宅部生活
人间と何かを成し遂げればいいのかな?

バンド组んで卖れっ子になるってどうだろう!

よし!メンバー探し!

クラスメイトに人间が
二人しかいないってどういうこと?
偶然俺みたいなバケモノばかり
确率论のひざが笑ってる
バケモノ同士だからわかるんだ
あいつは地底人 あいつはペソ
あいつに至ってはズボンプレッサー
家电と同じクラスってなんだ!

どうにか仅かな人间を
诱って作った拙いバンドは
仲良しではあるものの
モチベーションはそこそこで

自慢の鼻をフランクに
便利グッズ扱いするメンバー
ドラムを叩くな!
イモの固さ确かめるな!
伞かけるのやめろ!
ドアストッパーにするな!
パイ生地伸ばすな!

ドラムを叩くな!
隙间の扫除に使うな!
ドライバーにはならねぇよ!
赖むから大事にしてくれ!

愉快な皆と过ごすうちに
大舞台に立つチャンスが舞い迂んだ
珍しく真面目に练习して
绝对成功させるって誓い合った

だけど不觉にも右手を怪我して
ピックすら持てなくなった
代理を立てても自分が许せない
だってこの手が动かなくたって

この鼻がギターに届く
もう正体がバレたっていい
鼻に消えない伤がついて
鼻タレができなくなってもいい
どうしてもこの舞台の上に
皆と居たいって思うから
よく见えもしない未来なんかより
今が大事になったんだ

下手くそな合奏が响く
どの世界よりも乐しげに

俺はこっそり归るけど
后悔なんてしてないから
何もかも破绽しちゃったのに
どうしてこんなに朗らかなんだろう


4.宇宙人に果子折りを包まれる

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

地球を飞び出し早1ヶ月
前方に突如现れた
円盘型の飞行物体
かわせなくて止まれなくて
正面冲突した
船内はパニックだ

船の入り口を叩く音
宇宙人の袭来だ
しこたま警戒して
ドアを开く

果子折りを包まれた 深々と头下げ
“ワープから出たばかりでしてご迷惑かけすいません”
丁宁な物腰に困惑する我々に
“お口に合うといいのですが”と彼は二の句を次いだ

互いに损伤はわずかだが
引っかかって离れなくなった
彼は电话で业者を呼ぶ
到着まで共に待つ
最初は警戒していたが
次第に世间话に花が咲く

话の引き出しが多い彼
日本のことも知っていた
“あの、粹の国ですよね”と言っていた

业者が到着し作业が始まった
我々はモニターで见てたがそういや彼の姿がない
汗かいて戻ってきた三人の作业员に
彼は冷たい麦茶を出して羊羹を绮丽に分けた

费用は折半にしたかったが
彼は全部払うと言う
しかし支払いは现金のみ
彼はカードしか持ってなかった

“立て替えてください 绝对払いますから”
别にいいのにと言っても闻かず 彼に住所を教えた
しばらく后自宅に现金书留が
小粹な季节の挨拶と共に届いた

いい人


5.次元跳跃シャンプーハット featuring Dr.冠次(大槻ケンヂ)

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

长い研究の末完成した
次元跳跃シャンプーハット
これを使えば次元の壁は超え放题

二次元世界の退屈さは
突然泽山の女の子に好かれたり
飞び拔けた才能を生まれ持ったり
普通过ぎる日々で

“三次元に行こう!”

パンツまでつぶさに再现された
俺のフィギュアが卖ってる
不特定多数が爱でてるの?
三次元人气持ち恶…
そんなものに赖らずに现实で
ハーレム作ればいいのに
气持ち恶さにプライドを
感じているフシさえあるから
手迟れだ 三次元

长居はしたくない场所だ
あくまで他の漫画やアニメに
混ざるための通路にしよう
イタズラしてやる

スポーツものでビームを击ったり
时代剧でエアロビしたり
世界观クラッシャーだぜ!

“三次元に行こう!”

路上で洗发してるくらいで
职务质问しますか?
“清洁かよ!”ってツッコんで
次のシーンでは忘れてよ
コメディーの住人にそんな对应
世界观クラッシャーだ
命はギャグで戻せるが
落としたテンポは取り戻せない
愚かなり 三次元

路地に隐れて街を见る
待ち受け画面やストラップにも
至る所に二次元グッズ
よほど憧れているらしい

皆どこか退屈そうで
ここじゃない世界探して
もっと自分の场所を爱せばいいのに

俺も二次元を爱してみよう
考えてみりゃ最高だろ?
だいたいいつも奇迹起こるし
努力はカットでダイジェスト
归って美女だらけのエレベーターに
偶然にも闭じ迂められて
全员とフラグ立てるか
画面の向こうでヨダレ垂らして
见ていろよ 三次元


6.风が吹けば人类が终わる

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

ある日、强い风が吹いた
砂を卷き上げる春の岚

2人の男がこの风の中
何かを思いついた

极恶科学者集团のボス
他人(ひと)の犬を逃がすほど性根の腐った恶津くん
その豊富な知识と柔软な発想力で
お诞生日を台无しにする装置を発明!

炭火烧じゃ满足いかず
ビル火烧きや寺火烧きにも挑む森さん
お诞生日を台无しにする装置を利用し
心とかかとがガサつく烧き鸟を発明!

タイムスリップしてからというもの
“男?(笑)”と闻かれがちな小野妹子
心とかかとがガサつく烧き鸟を利用し
チャックを观音开きさせる羊を発明!

羊・ヤギ・ラクダ
笑颜で走るガキの毛狩りが生きがい 利根さん
チャックを观音开きさせる羊を利用し
不快な音に变换して伝える糸を発明!

バンドをやりたかったのに
“ドレミファソラシド”の顺を觉えられなかった加贺くん
不快な音に变换して伝える糸を利用し
クチャクチャ食べてるみたいな音のギターを発明!

部下达が积み重ねた
研究を见つめほくそ笑む恶津くん
クチャクチャ食べてるみたいな音のギターを利用し
知能が5岁のオウム并になる曲を発明!

信じられますか?たった1つの风が
世界を灭ぼすだなんてことを
恶津くんの组织は全ての人类に
この曲を听かせる作战を立てた!

正义の科学者集团のボス
颜の数で佛を凌ぐ优しさ 正木くん
その豊富な知识と柔软な発想力で
お诞生日をお手伝いする装置を発明!

安全で美味しい鸡肉に
生涯と旦那の尊严を捧げる庄司さん
お诞生日をお手伝いする装置を利用し
人の痛みが理解できる烧き鸟を発明!

ヨーグルトでカルボナーラを作り
コクのある后悔を味わう矢部くん
人の痛みが理解できる烧き鸟を利用し
乳が(胃カメラより)美味しい羊を発明!

オシャレと动物を爱して
毛先とアリゲーターを游ばせる畑さん
乳が(胃カメラより)美味しい羊を利用し
丽しく芳香で体温で溶ける糸を発明!

学生时代妙にモテた
“ちょっと恶い男”を未だに许せない马场くん
丽しく芳香で体温で溶ける糸を利用し
シロアリも慈しむほど心が澄むギターを発明!

部下达が积み重ねた
研究を见つめ微笑んだ正木くん
シロアリも慈しむほど心が澄むギターを利用し
清く正しく优しくなれる曲を発明!

信じられますか?たった1つの风が
世界を救うだなんてことを
改心した恶津くんと全ての人类に
この曲を听かせる作战を立てた!

今では家族ぐるみのお付き合い
先周は一绪に海にも行った
だが恶津くんは听いたフリをしてただけで
まだ性根はがっつり腐っていた
CDをこっそりすり替えて
作战开始のカウントダウン
正木くんに告げる
“骗されたようだな!”

“知ってたよ、そんなこと”

“资金集めのため正义のフリをしてただけだ!
谁も气づいちゃいないが
うちの组织はロクなものを作ってない!
利用させてもらったぞ
世界を灭ぼすのは俺じゃボケが!”

破灭のメロディーが流れる
风が吹いただけなのに


7.星のとなりの空け者 ~彦星~

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

今年も雨が降った 结局
この夜は晴れたことがない
川は荒れ生命を拒む
わかっていた きっとずっと
来年も再来年も
あの人は雨を降らせる

唯一この川を渡れるとされる
カッパとかいう绿の妖怪
要はそいつと同じくらいの
筋力と肺活量を身につければいいんだろ?

今じゃ给料の6割は筋肉费
见て!华严の泷のような俺の僧帽筋!
天の川を渡るってサイエンス・フィクション?
筋肉を磨くより大事なことある!?

鬼が住む山に笼り修行
俗世などとうに舍てた
大胸筋の神样に嫁ぐ
木々を引き拔き
岩をくるぶしで击碎していると
怪しげな小屋を见つける

この险しい山に似つかわしくない
异端なファッションの集团が
中でどんな恶巧みをしてるのだ!
ドラマチックな筋肉で阻止してやる!

大学生が乐しげにパソコン作ってる
鬼もこの景色见たら失笑するぞ
ここで组み立てるメリットって何だよ!?
下山というプロセスを考虑しろよ!

しかも全员で7人もいるじゃねーか!
みんなでできる游びをしなさい!
でも7って数字なんか引っかかるな?
7月7日って何かあったっけ?

七夕の夜 天の川を见に行く
こんなに锻えた身体も竦む激流
会えない辛さに 目を逸らしていた
何かに梦中になって误魔化していた
すぐにはやみそうもない雨に
濡れた瞳がカッパを见つけた

これで…!

俺の力を试せる!俺の方が强い!
俺の筋肉の方が总合的にすごい!
思い切り殴りかかってみたけど
容易く受け止められて

“ピアノの発表会感觉みたいな
半端な觉悟で来るんじゃねぇよ!”
速やかにボコボコにされた举句
二つ折りにされてどこかに运ばれた

目を觉ますと川の向こう
目の前には初老の女性


8.星のとなりの空け者 ~织姫~

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

彼は行ってしまった 天の川の向こう侧
约束の日は一度も晴れたことがない
神样のいじわるに抗う方法を探して
カッパという妖怪が川を渡れると知った

だけどカッパは灭多に见つからない
とんでもないレア妖怪
困り果てたある日街外れで
妖怪の群れに遭遇した

妖怪たちが靴ひも结べなくて泣いてる
ママにやってもらったのがほどけて泣いてる
アホすぎて不悯で教えてあげたら
すごい!やけに怀く!グイグイくる!

そのような经纬で设立しちゃいました
泣く子も灭ぶ妖怪派遣会社
低脑妖怪なんざ低赁金で使っても
たまにガムでも与えれば大喜びで动いた

社员の个性(妖术)を生かした営业(胁迫)
政治家とも仲良し(愈着)
天の川を渡るってサイエンス・フィクション?
经営の方が大事だろ!

妖怪たちが食券买えなくて泣いてる
食券というシステムを理解できず泣いてる
こんなとこに经営の落とし穴があるとは!
社食が丸々无驮じゃねーか!

そんなアホな会社の评判を闻きつけて
一匹のカッパが面接を受けにきた
カッパって何か引っかかる气がする
たしかずっと探していたような

七夕の夜 カッパに依赖する
会えない辛さに目を逸らしていた
何かに梦中になって误魔化した
だけど今は愿う 彦星を连れてきて

カッパは大きく颔いて
“任せてください”と言った

どうして彦星をボコボコにしてんの!?
デッドオアアライブって発注したっけ?
お前も例に漏れずアホ妖怪か!
归りはやけに迟いのにパンチは早いのな!

彦星がノビていた
昔より大人になって


9.星のとなりの空け者 ~カッパ~

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

七夕は今年も雨
仆が知っている限り
雨が降らなかったことは
ここ数年一度もない

闻いたことがある
川に引き裂かれた二人の话
その二人には恶いけど仆
天の川自力で渡れるんだ

そんな力なんかより
今は内定が欲しいです
“皿の形が不细工”と
书类で何社も落とされた

靴ひもが结べたら入れると
最近话题のアホ会社に
履历书という名の短册を
持参していざ面接へ

“本日の面接官を务める织姫です”
まさかこのシチュエーションで出会うとは
七夕にキャリアウーマンしてる场合か!
そこは上手に有给をとっとけよ!

すぐ织姫に赖まれる
彦星を连れてきて欲しいと
正直气は进まないけど
内定欲しさに请け负った

荒れる川を渡り向こう岸
やけに胸筋が隆起した男が
仆を见つけて感极まり
本气で殴りかかってきた

“カッパより强くなれば俺も川を渡れるはず!
胸筋の神样!彦星はやります!”
ダメだ、思考も思想もオシャカになってる
郁陶しいのでひとまず折りたたんで

织姫のもとまで引きずった
この瞬间が嫌だったんだ
きっと二人は知らない
この川の两岸は时の流れが违うこと

年老いた织姫
まだ若い彦星
会う术を失った二人は
无理に会ってもこの仕打ち
仆が何か言わなきゃと
言叶を见つけるより前に
こんなに残酷な再会を
二人はただただ喜んだ

二人を川で分かち
二人の时をずらし
二人は雨に泣いて
二人で伤つくこともできず
阻まれて
坏されて
骗されて
隐されて
夺われて

なのにどうしてそんなに素直に喜ぶの?

“爱しているから”


10.その魔王はまるで恋する乙女のように

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

新卒で魔王职に就きまして
勇者の挑战を待つ日々
正义を讨つのが生きがいだが
あいつ一向に战いに来ない

高校から使っている
グングニルのお手入れは十全
アクセスしやすいように
新宿に事务所を借りたんだぞ

战いの舞台はセッティング济み
トイレはウォシュレット付きに换えた
事务所内での分烟も彻底してる
いつ来ても最高の状态で战える!

なのになぜお前は来てくれないんだ!
呑气に杂志のコラムとか书くんじゃねえ
ガーデニングがマイブームってなんだよ
ベランダでバジル育ててる场合か!?

もう怒った!メールしよ
“来ないならばこちらから杀しに行くぞ!”っと
事务所には来ないくせに
返信はわりかし早めに来た

“だって大した恶さしなそうじゃん
昨日テレビ出てんの见たけど何あれ?
“店员に伟そうな奴はビンタの刑”って
政治家の方がまだ危险思想だぞ”

だってあーゆうおじさん见てて腹立つじゃん!
てかテレビでひどいこと言っちゃダメなんだぞ
青森のおじいちゃんも见てるんだぞ?
全国放送の怖さをなめんなよ!?

さすがにさみしくなってきた
これじゃアイデンティティーが瓦解する
こんな时は花占いだ!
来る来ない…

来る!

来た!

“加湿器买うついでにちょっと寄ってみたよ
せっかくだし今から轻く饮みに行かない?”
魔王(ひと)の气持ち轻く踏みにじんのやめない?
别に优しくされたいわけじゃねぇんだよ!

まあ、行くけど…


11.ヒーロー

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

ひしゃげた4号车の中に
脚を怪我した君がいた
动けない?大丈夫!
仆が君のそばに来た
微かな声でありがとうと言って
仆の腕で眠った君が
翌朝病院で目觉めたことを
さっき夕刊で知った

“また正义の味方のお手柄だ”
そんな见出しも见饱きたな
仆にはどうしてか昔から
他人にはない力があって
勇者とかヒーローとか
正义の味方とか呼ばれた

粗大な冠に肩が凝って
鸣り止まない取材依赖の电话を
无造作に切り续ける
“どうして他人を助けるんですか?”
以前されたその问いかけに满足な
答えを持っていないから

仆は正しいことをしている
助けた人も幸せなはずだ
そう信じてはいるけど
スッキリはしてないんだ
感谢されれば嬉しいし
认められるのも气持ちいい
そんな仆の满足感のために
他人の命を利用して

疑问にはひとまず盖をして
空っぽのまま他人を救い
时间は无远虑に过ぎてって
ある日のニュースで目が觉めた
4号车にいたあの子が
杀人犯として书かれていた

つま先の热まで慈しんで
掬いあげた君の命が命を
ゴミみたいに踏んだのに
ニュース记事の正义という言叶は
この胸の痛みの责任も取らずに
キラキラと辉いていた

正しさなんて见つからない
でも间违いだなんて信じない

振り付けも知らないまま
舞台に立つ马鹿な仆らだから
命って言叶もきっと
杀しあって作ったんだ

平等だと笑いあう里で
必要不要と值踏みして
救うも夺うも自分のため
そんな肉を守るのが仆なら
世界で一番不要な命を
この肋骨が守っている气がする


12.さくら

作词:タカハシヨウ
作曲:タカハシヨウ

“我々は本年度の开花を拒否することにした”
いつもなら满开なはずの时期に
さくらの大统领が発表した声明は
人类を震え上がらせたのだった!

“まったく人间どもは每年
ジロジロ见ては発情し
やかんのような奇声をあげ
酒やつまみをキャッチ&リリース

ちょっと开花が近づけば
“まだ六分咲き”などと值踏みして
失礼だとは思わないのか!?
他人の半裸に点数つけてんだぞ!?

お前らの开头日をニュースで流してやろうか!!
お前らの肉片を散らしてやろうか!!
もし近づく奴がいたら鼻に枝を差し迂んで
イルミネーションのパーツにするからな!!”

そんなさくらの主张を闻き
【急遽!】组织された对策委员会
过去のご无礼を谢罪し
委员长は提案する

【その1・“花见”の名称は“クソ汁の花拜见”に】
【その2・さくら样を前に开口した者は死刑】
これらのルールを决めたものの
人间侧からの反对が杀到!

・さくらだけ决めるなんて梅に失礼じゃないですか?
(16岁 女性)

・こっちも半裸になれば文句ないだろ?
(28岁 男性)
・“开口”って字は”闭口”と见间违えるから使うなよ
(56岁 男性)
・水分量は人によるし汁は不公平!
(34岁 女性)

“お前らの团结力はちっちゃい昆虫以下だよな
ズレた问题で足を引っ张り合って
守れないルール作って 破って揉めてまた揉めて
绝对押すなよ系のコントみたいだな”

闻いてください、大统领
确かに人类は愚かです
咎め合い夺い合うことでしか
一つになることもできやしない

だけど逃げない!
咎め合い夺い合いながらも
あるかもわからない答えを
探す旅から逃げない!

さあ、咲いてください
いつもグダグダな人类だから
いつも变わらず美しい
あなたの花びらが欲しい

バラバラな私达を まるであざ笑うように
一齐に芽吹く桃色の世界
今年もアホみたいにさ 口を开いて无防备に
バラバラの头で一绪に思うんだ

“また来年も见たい”って