18.旅鸦半次郎 ふりむけば夕阳

作词:保富康午
作曲:远藤实

花がやさしい 小さな花が
むごい きびしい 浮世の风も
こらえ こらえて きれいに咲けと
そっと 教えてくれた人
今日も 呼ばれた そんな气で
ふりむけば ああ 夕阳

“お娘さん、お忘れでござんすか。
子供の顷…お店で丁稚奉公をしておりやした半次郎でごぜえやす。
…お娘さん、どうか、どうか自分で自分を舍てねえでおくんなせえ。
舍てたら、おしめえだ。沈む夕阳が明日は朝阳になって升ってくる
…お娘さん、どうかその朝阳になっておくんなせえ。”

花が恋しい 故乡の花が
生まれぞこない 泣き虫坊主
そんなおいらの 泪を拭いた
白い 花びら 细い指
远いあの日に归りたい
ふりむけば ああ 夕阳

“お娘さん、お娘さん、しっかりしておくんなせえ!
お娘さん、お娘さん、
こんなところで、こんなところで死んじまったんじゃ私は、
私はこれから一体どうすりゃいいんでござんすか。私は、
ねぇお娘さん…お娘さん
私と一绪に行きましょうね。谁もいねぇところへ行きやしょうね。
どこ迄も…どこ迄も一绪でござんすよ。”

花が悲しい いのちの花が
たった ひとりで ほろりと散った
せめて 见果てぬ 梦追いながら
旅でござんす 半次郎
燃えて 流れる 云ふたつ
ふりむけば ああ 夕阳