11.月姫と右京太夫(うきょうだゆう)の恋烦い

作词:道乃上梦縻
作曲:后藤次利

月影 胧(おぼろ) 草木も沈まり
忍び寄る影が二つ流れてく
泪がきらりん 闇夜中(やみよなか)浮ぶ
あれこそ爱おしや 闺间(ねやま)の月姫
轩端に近づく 右京太夫
影は寄り添おって いつしか一つに

一夜(ひとよ)限りの戏れ言 乐し
见守っているは月夜と星の瞬(またた)き
一夜限りの戏れ 嬉し
まるでこの世は ああ 二人の为にある样に──

やがて白々と 朝は明けて来た
忍び寄る影が二つ别离(わかれ)てく
お阳样が覗き 二人は再び
日中(ひなか)に出食わしたが、あらま感违い
太夫は姫を 姫は太夫を
お互い正面(まとも)に もう一度见やる

こんな相手と一夜の梦をみるぞ
けむ けり けれ けるの变格活用なり。
ああ それを想うだけで辛くなる。
こんな相手と语らうなんぞ
まるでこの世は……地狱绘卷──

そないな事を 缲り返すうち
やっぱり闇夜は独りじゃあれこれ淋しい
そないな事を 缲り返すうち
やっぱりお阳样は二人を梦から觉ました──

闺间(ねやま)の月姫 轩に太夫
爱しく果无い ああ恋烦い

寄っては离れ 离れて 寄って~
それの缲り返し
それの缲り返し!